株の話

IPOセカンダリー投資とは?買い方やリスク、選び方をまとめてみた

こんにちは。なかやんです。

株式投資をやってるよー!という話になると、「手っ取り早く上がる株ないの?」とよく聞かれます。

ぶっちゃけそんな簡単に上がる株とかないんですけど、やっぱりみんな短期で効率的なリターンが欲しいんですよね。

そこで今回は短期で効率的な値上がりを狙う投資手法、セカンダリー投資について紹介したいと思います。

この記事のポイント
  • セカンダリー投資ってなに?
  • どうやってやればいいの?方法と注意点を説明
  • おすすめのセカンダリー投資銘柄を紹介

IPOセカンダリー投資とは?

セカンダリー投資とはIPO(株式の新規上場)後まもない株を買う投資手法です。

通常、新規上場する会社の株を購入するには、口座を開いている証券会社に申し込む必要があります。

その中から抽選で当たった人のみ、上場前の株を購入することが出来るのです。

このIPO銘柄(新規上場株)は値上がりする可能性が高く、銘柄によっては上場時2倍、3倍もしくはそれ以上利益が出ることもあります!

じゃあとりあえず申し込みした方がええやん!という話なのですが、IPO銘柄の抽選に当たるのは、宝くじ的な確率…とまでは言わないまでも、申し込んでもなかなか当選しないものです。

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当選しなかったからあきらめる、のではなく上場後の値動きが大きい時期に流れに乗って利益を得るのがセカンダリー投資なのです!

  • IPO自体はなかなか当たりづらい…!
  • 新規上場後まもない株は値動きが大きいので、狙い目。

IPOセカンダリー投資で成功する例

例えば、2017年9月に新規上場したPKSHA Technologyという会社があります。

東大発の人工知能開発ベンチャーという、株式市場にはとてもキャッチーな業務内容を持つ会社です。

この会社は上場前の公開価格が2,400円だったのに対し、上場時には5,480円と2.3倍になりました!

つまりIPOに申し込み、当選していた人は2.3倍の利益を得たことになるのですが、ここで注目したいのは上場後の値動きです。

現在の株価はこちら(Yahooファイナンス)

上場した後も市場からの注目を集め、上場後約1ヶ月後には14,500円まで上昇しています。

つまり!IPO銘柄に当選しなくても、上場後の初値5,480円で買っていれば約3倍の利益が取れるのです!

これが上場後間もない時期の値上がりを狙うセカンダリー投資です。

IPOセカンダリー投資の買い方・初値買いを狙っていく

それではIPOセカンダリー投資で利益を得るためにはどういう戦略を取れば良いか。

結論は初値から上がりそうな銘柄狙う、いわゆる初値買いです。

先ほどのPKSHA Technologyの例のように、上場日に初値がついたタイミングで株を仕込むやり方です。

初値買いはとりあえずなんでも買っておけばいいというものではなく、ポイントや注意点があります。

初値買いをするときの方法・注意点

  1. 公募価格と上場初値が大きく乖離している(初値が高すぎる)銘柄は避ける
  2. 吸収金額が大きすぎる銘柄は避ける
  3. 流動性が低い市場(名証、札証など)の銘柄は避ける
  4. 公募割れの銘柄には要注意!
  5. ロックアップ価格に注意!
  6. その会社の事業内容が成長業界なのか確認する

詳しく説明していきます。

初値が高すぎる銘柄は避ける

上場初値が公募価格と比べて高すぎる(乖離している)銘柄を初値で買うときは注意しましょう。例えば、下のチャートを見てください。

2017年6月に上場したビーブレイクシステムズという会社は初値後、どんどん株価が下がっています。公募価格1,670円に対し、上場初値は7,700円です。

つまりIPOで当選した人は大きな利益を得ていますが、初値で買った人はほぼ全員が損をしているということです。

また公募価格と上場初値の騰落率は約360%と大きく乖離しているのがわかります。

初値が高すぎると投資家心理的にもう上がらないのでは?という思惑だったり、大株主が株を売却するかもしれないという思惑で買いが落ち着いてくる可能性も出てきます。

吸収金額が大きすぎる銘柄は避ける

吸収金額が大きすぎる銘柄に注意!というのは、大企業に当てはまるケースが多いです。

少し前ですが、2014年に上場したジャパンディスプレイは吸収金額3,300億円という鳴り物入りで上場しましたが、その後初値から株価は下がっています。

吸収金額が大きすぎるということは、それだけ一株あたりの価値も薄まるということなので、会社の利益に対して吸収金額が大きい銘柄は投資家からも嫌がられ人気化しません。

目安としては吸収金額10億円程度の銘柄を選定するといいと思います。

流動性が低い市場の銘柄は避ける

流動性が低い市場を避けるというのは、人気のない市場はそもそも投資家から注目されていないので、値動きの波が来ないという意味です。

例えば名古屋証券取引の2部とかに新規上場しても、売買すら成立しない日があったりします。

オススメはある程度の流動性があり、値動きの軽いジャスダック市場あるいはマザーズ市場に上場している銘柄です。

公募割れの銘柄には要注意!

公募割れに気をつける、というのは初値が公開価格を下回った場合の事です。

IPO銘柄の多くは初値が公開価格を上回るケースが多いのですが、上場前の需給が悪い、吸収金額が大きい、公開価格が業績に比べて割高などの要因があるものは稀に初値が公開価格を下回ることもあります。

これを公募割れと言います。

すごく簡単にいうと「あまり期待されていない銘柄」という言い方ができます。

しかし!期待値が高くない分、ある程度株価が下がった後、反転に転じる銘柄もあります。

例えば、2017年に新規上場したウェーブロックホールディングは、公募価格750円に対し、初値が721円と公募割れが起きています。

つまりIPOに当選したにも関わらず、下落した状態から株を保有することになる人がいるということです。

しかしその後の株価を見てましょう。

なんと、倍以上の1,515円まで伸びています。

これは業績が見直され、市場から評価されたからなのですが、公募割れした銘柄はそのまま株価が下がり続けることもあるので、公募割れした銘柄をセカンダリー投資で狙う場合は注意が必要です。

ロックアップ価格に注意!

ロックアップというのは、上場してから一定期間、または一定の株価になるまで、大株主は保有株を売ってはいけませんよ、という相場の安定性をはかるためのルールです。

新規上場株にも大株主というのが存在します。会社経営陣(代表やその他取締役など)が多くの株式を保有しているパターンや、ベンチャーキャピタルという投資会社が大株主のパターンが存在します。

会社経営陣が自社株を大量に売却する可能性は低いのですが、ベンチャーキャピタルは投資先の会社が上場するまで面倒をみて、上場したら面倒を見ていた会社の株式を売却して利益を得るというビジネスモデルのため、ロックアップが解除されたあと、株式を大量売却する可能性があります。

ロックアップの条件は目論見書(上場する会社についての説明書のようなもの)に書いてあります。目論見書は新規上場する会社のHPにのってます。

例えば、「90日間売却不可、1.5倍で売却可能」みたいな条件があったりします。

これは上場してから90日間は売ってはいけません、また株価が公募価格の1.5倍になるまで売ってはいけませんよ、という条件です。

裏を返せば上場してから90日後かつ株価が1.5倍以上になった場合、ベンチャーキャピタルのロックアップが解除され、大量売却の可能性が出てくるということです。

なので、戦略的にセカンダリー投資を行う際は、ロックアップの条件を確かめて「もうすぐロックアップが解除されるからベンチャーキャピタルが売りにだしてきそうだな…」などの予測を立てることも必要となってきます。

その会社の事業内容が成長業界なのか確認する

これも非常に重要な要因ですね。先程のPKSHA TechnologyはAI開発という成長が期待できそうな業界です。

ITやWEB、ゲーム系などは投資家に好まれやすい成長業界ですので、セカンダリー投資を行う際はその会社の事業内容や業界というのは確認しておきましょう。

IPOセカンダリー投資のリスク

上記の初値買いをする時のポイントを抑えておけば、セカンダリー投資で失敗するリスクを軽減させることができますが、それでも金融商品にリスクはつきものです。

値動きのリスク以外で言うと、IPOは初日に初値がつかなかった場合、翌日以降「即金規制」というものがかかります。

この即金規制は、初値買いする際に買付余力がなかった場合、その日中に現金を入金しないといけないというルールです。

通常の株式取引であれば、3営業日後までに現金あるいは買付余力があればいいのですが、「即金規制」ではそうはいきません。

初値買いをしたいIPO銘柄が上場初日に値がつかなかった場合、想定約定金額分の現金を用意しておきましょう。(買付余力がある場合は不要です)

まとめ

以上IPOセカンダリー投資についてでした。

IPOセカンダリー投資は値動きが大きい時期に株を買うので、もちろん値下がりのリスクもありますが、短期間で効率的に利益をあげられる可能性もあります。

値下がりのリスクを少しでも避けるために、今回の記事を参考に銘柄を選定してみてください!